必要かそうでないかというものさしだけで、モノの価値をはかっていては少し窮屈さを感じます。実用的とはいえなくても、心を満たしてくれるものを大切にしたい。スウェーデン語で「花と風」と名付けられたフィギュリン（陶磁器製の人形）、「ブルンモル オック ヴィンド／Blommor och Vind」を眺めているとそんなことを思います。

おめかしをしたこの男女のフィギュリンは、福岡県に住む陶芸家でありアーティストの鹿児島睦さんがデザインしたものを、スウェーデンの「ケラミックステュディオン／Keramikstudion」社がかたちにしました。

女の子
「女の子」は額でまっすぐに切り揃えられた前髪に青い目が映えます。白いドレスの襟元やブロンドの前髪は立体的。頭の先から足もとまで、緩やかな曲線で表現され、尖ったところは見当たりません。

男の子
「男の子」は、癖のある黒髪を精一杯整えたように見えるヘアスタイル。こちらも目は青く、鼻と頬は薄いピンク色です。女の子の裾のフリルや男の子の赤いリボンタイなどは、まるで子どもが色鉛筆で描いたような素朴さ。かたち、色合い、細部の装飾から受ける柔和な印象が、鹿児島さんの作風と調和します。
左から「女の子」「男の子」
すべてケラミックステュディオンの職人がハンドペイントで仕上げているから、ひとつひとつ表情が異なります。ただでさえ可愛らしい上に、同じものがふたつとない自分だけのフィギュリンとなれば、より愛着が沸くのは当然です。

全体が淡い色づかいで、あたたかなあかりを内包しているようです。寝室、リビング、玄関……どこに飾るか考えるだけで口元が緩みます。鹿児島さんのイラストがプリントされた専用の木箱付きなので、贈りものにもおすすめ。 向かって左に女の子、右に男の子を並べると、２人がお互いに寄り添うことがわかります。どちらか片方だけでも十分癒されますが、もし可能なら２人一緒に並べてあげてください。より幸せそうにほほえむ２人に、エネルギーをもらえるはずです。