カラフルな色使いの個性的でかわいらしいキャラクターたちが、朗らかに暮らす。
ムーミンといえば思い浮かべるそんな世界とは一線を画すアイテムが、スウェーデンのホームテキスタイルブランド「クリッパン／KLIPPAN」の「ムーミン オン ザ ラン ウールブランケット」です。



ブランケットを広げてみると、深い森の中をたった１人で走るムーミンの姿が。木々の大きさと比べるととても小さなムーミンに、心細さを感じる絵柄です。

モチーフになっているのは、フィンランドの画家であり作家のトーベ・ヤンソン（1914-2001）２作目の小説「ムーミン谷の彗星」の挿入画。原作の挿絵をそのまま図案化しているところに、原作とトーベへのリスペクトを感じます。
この絵は、彗星がムーミン谷のすぐそこまで迫る中、ムーミンが安全なところから飛び出し、友達のスニフを探して走るというハラハラするクライマックスシーンに添えられているもの。

「ムーミントロールは、毛布の下をくぐって、外へでました。（中略）彼は、走りに走りました。たえずスニフの名をよびながら。これほど、ひとりぼっちだと感じたことはありませんでした。」（「ムーミン谷の彗星」講談社／訳：下村隆一より）



実は、クリッパンからムーミンモチーフのシングルサイズブランケットが発売されるのは初めてのこと。以前からムーミンの大きなブランケットを出してほしいという要望が多く、2025年にムーミンが生誕80周年を迎えることもあり、そのリクエストに応えるかたちで誕生しました。

ウール100%のみっちりとした厚手のブランケットは、本格的に寒い季節に重宝します。モノトーンで落ち着いた雰囲気は、使う人を選びません。裏側に見られる色が反転した黒いムーミンも、ブランケットならでは。お好きな面を、気分に合わせて使ってください。



友達を探し、１人走り回るムーミン。原作を知らずとも、胸が熱くなります。この小説が出版されたのは、戦後間もない1946年。勇気をふりしぼり奮闘するムーミンにトーベが託したものは、もしかしたら今の世界にもつながる希望なのかもしれません。