色とりどりの花や植物、蝶の絵柄が一本の線で繋がった「色絵花繋ぎ」。料理を盛り付けても絵柄が隠れず、質素な料理も華やかに演出してくれるこの器は、「九谷焼」の作家である徳永遊心(とくながゆうしん)さんの代表作です。
石川県南部でつくられる九谷焼。明治時代にウィーン万国博覧会で紹介されて以来「ジャパン・クタニ」と呼ばれ、宮内庁御用達の工芸品に選ばれるなど日本を代表する焼きもののひとつです。
そんな九谷焼に新たな息吹をもたらした窯元「九谷青窯(くたにせいよう)」。1971年の創立以来、「日本の食卓が楽しく美しくあるように」という思いを込めて、豪奢な印象のある従来の九谷焼とは一線を画す「常用」の器を提案し続けています。
その九谷青窯に2003年に入社した徳永遊心さんは人気陶工の一人としてさまざまな作品を世に送り出してきました。遊心さんの作品にはファンが多く、特に「色絵花繋ぎ」シリーズは、器をぐるりと取り囲む楽しげ花模様が、和洋問わずさまざまな料理に合う、と入荷するとすぐに売り切れてしまうほど。
そんな遊心さんが2020年、金沢に自宅兼工房として「遊心窯」という屋号を掲げ、九谷青窯から独立。新たなスタートを切り、九谷青窯時代から人気のこのシリーズも継続することになりました。
東欧の民族衣装の柄をイメージして描いたというデフォルメされた草花は、北欧食器との相性も抜群。上品ながらカラフルな色合いが目に入るたび元気が出ます。釉薬の“ぷっくり感”や色の濃淡などがひとつひとつ違うところも魅力の一つ。
サイズは5寸、6寸、7寸、8寸の4種類。5寸は取り皿に最適なサイズ。6寸はカットケーキを倒して盛り付けることができます。7寸には一人分のパスタや主菜を。8寸には主菜と副菜を一緒に盛り付けたり、大勢で取り分ける料理を盛ったり。
和食器ながら無国籍なデザインなので盛り付ける料理を選びません。日々の食卓にも、特別な日の食卓にも、花を添えてくれます。