あるかなきかのごとき小さな瞳はキラリと光る青い色。花がパッと咲いたようなブチを持つこの「ブルテリア」。実はブチを左右どちらの目のまわりに施すかは決まっていないため、どこにブチが描かれているかは届いてからのお楽しみです。
踏ん張って立っているようなブルテリア独特の立ち姿やピンと伸びた尾がいきいきとしていて今にも動き出しそう。瞳の色だけ青の釉薬が施されており、それがこのいたずらっ子のように輝く瞳の秘密です。見る角度によって印象が変わるのも特徴で、斜め上から見ると従順に、真横からだと賢そうに、真下から眺めると何か企みごとをしているように見えるのです。
スウェーデン語で「犬小屋」を意味する「ケンネル/KENNELシリーズ」は、様々な犬種をモチーフにした人気のシリーズ。スウェーデンのグスタフスベリにある「ケラミックステュディオン/Keramik Studion Gustavsberg」の工房にて職人の手でひとつひとつ製造されています。ひとつとして同じ姿かたちのものはありません。このブルテリアが見る角度によって全く違う印象に変わるように、リサ・ラーソンの作品はまったく気が抜けません。その『気の抜けなさ』というのがリサ作品を愛でる際の面白みなのです。
絵本やマンガの主人公にもなっているブルテリア。その愛嬌のあるユニークさの虜になってみてはいかがでしょうか。